イベントを支える現場カンバンのススメ

こんな事ありませんか?

イベント運営する時に事前準備は “ちゃんと” Trello とかを使ってやってたのに当日になるとバタバタして、Todoを忘れてしまっていたり、もしくは当日は Trelloまったく見てませんでした。とかよくありませんか? (僕はよくありました >< ) もしくはスタッフが何人もいてみんなが一同に集まるのは朝イチくらい。そこからは随時非同期に情報連携していきたいのに、うまくできない事とかありませんか?

そんな時には現場カンバンっぽいものを作るといいですよ! というご紹介です。 厳密にカンバンを作るというよりは、情報共有ボードを作るくらいのイメージでいたほうがいいかもしれません。イベントでご一緒した方に「コレいいですね」と言われる事が結構あったので、意外にみんな実践してないのかな !? と思い共有してみようと思いました。

はじめは基本形で。少しづつ作り変えていく

“壁最強 !!”

まずはやることを壁に貼り出しましょう。 アナログツールで壁に貼り出す。これが唯一のコツと言ってもいいかもしれません。

IMG_4539-2-Edit.jpg RailsGirls Kyoto 4th にて

最初はタスクボードのテンプレと同じように Todo, Doing, Done で初めてみました。その後色々やっていく内に Doing はレーンとしてはそんなには必要なくてカレントステータスとしてどれをやってるか分かるように矢印付箋などで表すようになりました (下図参照)。

タスクのサインアップが行われる時は開発プロジェクトと同じように名前を書いてもらうといいでしょう。全員その場にいるから対して問題にならないかもしれませんが、Doneしたタスクで聞きたいことがある時に誰に聞いたらいいのかすぐわかるので便利です(当たり前の事を言ってるんですが重要。2,3人ならそんな必要もないかも。)

みんな自発的に動いてくれる

カンバンの運用自体「コレ作ったからやってね。」とかわざわざ言わなくても、色々貼り出していくと結構みんな面白がってやってくれます。"今日の予定", “気付いたこと”, “足りないモノ” とか大きなカテゴリの付箋を貼っておくとみんな面白がって貼っていってくれるようでした。

IMG_5688.jpg スクラム道関西のScrum Boot Campにて。
それっぽく “Event Backlog” とか適当な事が書いてありますが AC(Acceptance Criteria) は書いてないですね。とりあえず雰囲気を感じてもらえるといいな。という個人的な試み。

規模の大きいイベントでの一例

DSC_0004-2.jpg

これはとある 1000人規模イベントのカンバンです。

  • 会場見取り図と役割・担当者などを貼り出して共有
  • タイムスケジュールがきっちり決まってるのでそのおおまかな進捗状況。(香盤表は作って持っていたケドいちいち紙広げるよりは、みんなで眺められる方がいい。付箋じゃなくても大きな香盤表を印刷して貼っておいてもよかったかもしれない)
  • このセッションではサイドテーブルが必要とか、このセッションでは音声打合せが追加で必要とかそういう情報も貼り出しておくと、自分やみんなの心構えが違ってくる
  • 思った事は気づきのエリアにすぐ貼り出して共有 => 随時話合い
  • 伝達事項はINBOXに入れて目に入りやすくする
  • 随時インカムでも情報共有されるので、共有事項は書き留めてスタッフが休憩ローテーションに入った時にスタッフルームのカンバンを見て情報をインプットできるようにする。
  • Doing レーンっぽいものは作らずに矢印付箋で表した
    • ちなみに矢印付箋は付箋を半分に折って3箇所切り込みを入れると簡単に作れます DSC_0148.jpg 付箋カット.png

などなど。 この時の失敗談としては

  • 事前にカンバン作ろうと思っていたのにストーリーサイズの付箋を用意するのを忘れていた…
  • 初日の設置が慌ただしくて、お昼前くらいからの運用になってしまったこと
  • 会場見取り図がA3では小さかったこと
  • カンバンの案内をスタッフに連絡するのを忘れていたこと…(気づけばやってくれるのでいいんですが、そもそもスタッフルームに戻ってこずに休憩する人もいた) でした。

よくある話としては 「カンバン作るの忘れてたー」的な話なんですが、今回は朝忙しすぎてカンバン作る余裕なかった感じですね…タイムスケジュール的な付箋くらいは前日に用意しておけば良かったです。

持ち込み物の返却先ラベル

また次に試してみたい事としては、備品に返却先ラベルを付けた運用をしてみたいです。 今回色んな場所からたくさんの備品をお借りしたのですが、何点か返却先を間違えてしまって送付してしまったものがありました(電源タップは1点は紛失した)。これも返却先リストを作ってはいたのですが、電子ツールに入れっぱなしでバタバタしている現場では参照しにくいものでした。そもそもその物を返すのにリストと照合するとかバカバカしいなと思ったので、備品に返却先ラベルを付けて。コレはどこどこに送る。みたいなのを荷札タグを使って運用してみたいと思います。

電源タップなどはいろんな人が持ち込みますし、間違えてもらって変えられてもお互い気づきません。このタグがあれば間違い防止にもなるのではないかと思います。


ふりかえってみると

最初はただ集合写真や細々したタスクを忘れたくない。(自分は)意外にイベント運営中に電子ツールを開かない。ということから初めてみたこの運用ですが、意外とウケが良かったです。手の空いた他のスタッフは細々したタスクをサインアップして取っていってくれたりするし、気づけばカンバンの前に集まってどうすればうまくいくかを話し合っている。これはどこかで見た光景だ…

たしかにイベントの運営もひとつのプロジェクトですもんね。開発プロジェクトで使えるプラクティスはイベントにも使えそうだし、イベントで使えるプラクティスは開発プロジェクトでも… と考えるのは自然の流れですよね。

皆さんのいる イベントや開発の “現場” にすこしでも改善の流れが巻き起こせますように。

おまけ

オーガナイザの1人にこう言ってもらえたのが励みになりました。 nextyear.png